網膜硝子体手術が必要になるのはどんな病気ですか
網膜や硝子体に原因がある疾患全般になります。具体的には網膜が剥がれる網膜剥離、硝子体に混濁が生じる硝子体出血や重症の糖尿病網膜症、網膜の中心部である黄斑の形態異常である黄斑前膜、黄斑円孔などが対象疾患になります。また白内障手術時に合併症のトラブル(水晶体が網膜に落下した等)があった症例でも網膜硝子体手術が必要なことが多いです。
- 網膜剥離
- 糖尿病網膜症
- 硝子体出血
日比谷線広尾駅徒歩3分 03-6432-5977
目の奥にある網膜や硝子体の病気を治すために行う手術治療のことです。
網膜や硝子体に原因がある疾患全般になります。具体的には網膜が剥がれる網膜剥離、硝子体に混濁が生じる硝子体出血や重症の糖尿病網膜症、網膜の中心部である黄斑の形態異常である黄斑前膜、黄斑円孔などが対象疾患になります。また白内障手術時に合併症のトラブル(水晶体が網膜に落下した等)があった症例でも網膜硝子体手術が必要なことが多いです。
網膜硝子体手術は技術習得に時間を要するため、すべての眼科医ができるわけではありません。網膜という神経組織に触れる範囲を治療するため高度な技術が必要で難しいと言われております。
網膜硝子体手術をする際に器具を入れるポートを目に挿します。その際に疼痛が生じやすいので軽減するために注射麻酔を併用したりして疼痛をコントロールします。
白内障の手術に比べると網膜硝子体手術は炎症が強く出るため回復には時間を要することが多いです。また黄斑前膜などの治療では黄斑の形状の回復に経過を待つ必要もあるため「時間も治療」と想定すると良いと思います。網膜剥離の治療ではきれいに戻っても後遺症として暗点や歪みが生じることもあります。
まず網膜硝子体手術は全例でうつ伏せが必要なわけではないですが、疾患(網膜剥離や黄斑円孔)によっては手術終了時にガスを眼内に入れて内側から風船で膨らますイメージで網膜の形を圧迫することがあります。その際にガスの抜け切るまで下を向いて網膜にガスの圧迫効果が最大限に効果出るようにうつ伏せ指示をお願いすることがあります。うつ伏せをやめて良い時期はガスの種類や抜け具合によるため個別に術後診察で話し合っていきます。
網膜硝子体手術後の副作用として強い炎症が生じたり、出血を起こしたり、網膜に裂孔が生じることも稀ですがあります。こういったデメリットが生じないように丁寧な執刀を心がけることは当たり前であり、低侵襲な手術を心がけることが大事です。
白内障手術などは侵襲が少ないため翌日から見える方が多いですが、網膜硝子体手術は炎症が強く出ますので直後はかすみを訴える方が多いです(それでも器具の進歩で低侵襲な網膜硝子体手術が可能になってきています)。かすみに関しては術後点眼を強化したりして早期に回復を図っていきます。
全ての手術で100%の成功率ということはあり得ないですが、網膜硝子体手術を執刀する医師の方々は、術式を型通りに施行するという点ではほぼ完璧にできる方がほとんどではないかと思います。しかし100%の執刀をしても上述したような副作用(強い炎症や出血、剥離)などが生じることも稀にあります。
仕事内容にもよりますが、事務作業なら翌日からでも可能だと思います。力作業や汗を伴うもの、粉塵が飛び交う仕事などは1週間程度は空けても良いかもしれません。大事なのは術後点眼を医師の指示通りに守り、眼を清潔に過ごすことだと思います。
前述した黄斑前膜、黄斑円孔、硝子体出血や重症な糖尿病網膜症には随時対応しています。また網膜剥離・眼内レンズ(または水晶体)落下などの緊急性の高い疾患には診断のついた時点で最短の手術治療を提供できるように手配します。これらの緊急性疾患は少しでも早く治療できた方が良いため、最善を尽くして対応にあたらせて頂きます。
手術の機械や環境に関しては大学と同等のものを整備しております。執刀する医師の技量も下記の通りになります。
網膜硝子体手術を年間200件以上(関連施設での執刀含む)執刀しており経験値は豊富です。手術技量だけでなく痛みのない低侵襲な手術にも注力しております。無駄な炎症が生じないように心がけて執刀します。
通常の網膜硝子体手術(黄斑前膜など)では20分前後の執刀時間を、高難度の網膜硝子体手術(増殖性糖尿病網膜症や網膜剥離など)では1時間前後の執刀時間をそれぞれ見込みます。患者さんのストレスを最小限にしつつ、治療効果は最大限になるようにこれからも精進してまいります。