緑内障はどんな検査でわかりますか
日々の眼圧をこまめにチェックすることが大事です。また定期的にOCTという検査機器を用いて視神経の薄い部位の変化をチェックし、視野検査を行なって自覚的な視野欠損の進行を定量することで検査します。
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簡潔にお伝えすると緑内障とは「眼圧が原因で、視神経が断線し、視野が侵される疾患」です。一度失った視神経や視野は元に戻りません。
日々の眼圧をこまめにチェックすることが大事です。また定期的にOCTという検査機器を用いて視神経の薄い部位の変化をチェックし、視野検査を行なって自覚的な視野欠損の進行を定量することで検査します。
緑内障を治すことは不可能であり、唯一の治療は眼圧を低く保って進行のスピードを止めることになります。言い換えるならば緑内障は自分の人生を終えるまで視野を保てるように、一生お付き合いしていく疾患です。眼科受診をやめても大丈夫という状況になることはありませんので、緑内障と診断された場合は主治医とよく相談して継続受診できる環境を整えることが大切です。
眼圧下降が唯一の緑内障の治療法になります。従いまして点眼剤やレーザー治療を用いてまずは眼圧下降を計画しますが、眼圧が下がらない場合には手術治療を用いて眼圧を下げることもあります。手術治療には眼の水の出口を広げて流れを良くする手術や眼の外に水を逃して眼圧を下げる手術などがあります。
進行させないために日々の眼圧をこまめにモニタリングして適正眼圧を保つことが一番です。日々の眼圧を上げないためにはストレスを溜めず、バランスのとれた食生活を心がけることが大事です。
緑内障と診断された際に初期の視野障害であれば日常生活に支障をきたすことはございません。しかし中等度~末期の緑内障では視野欠損が進行して生活に支障が出てきます。例えば車の運転に関して高度な視野欠損を伴っている方は控えた方がよい可能性があります。
緑内障の進行には個人差があるため初診の時点では、一概に何年で進行すると判断はできません。しかし、何度か検査を重ねていくと時系列変化を元に視野予測が可能となるため、患者さんのライフプラン(平均寿命まであと何年生きるか、それまで視野を保つことはできるか)を計画して治療に臨みます。
強度近視の方やステロイドを長期的に使用している方は緑内障を発症する可能性が高いので検診を受けることを勧めます。また緑内障の病型の中でも閉塞隅角緑内障(隅角が狭い体質)は急激に眼圧上昇して視野欠損が一気に進行する可能性が高いです。こういった体質の方は発作を起こして疼痛や視野欠損を起こす前に予防的な治療(レーザーや手術)を行うことを勧めます。
無治療で放置すればいずれは失明する疾患です。緑内障の進行を止めるために信頼できる主治医を見つけて定期的な受診をしましょう。
当院では緑内障が疑われた際にまずは何度か眼圧測定を行い、精密検査(視野検査、OCTなど)にて診断が確定したら患者さん毎の目標眼圧を設定して治療を開始します。
治療に関して初めは点眼治療ですが眼圧下降が乏しい場合や点眼剤の副作用が影響する場合はSLTレーザー治療に進みます。さらなる眼圧下降を達成するために緑内障手術治療を施行することもあります。緑内障の治療は患者さんの病状だけでなくソーシャルな状況(点眼がうまくできるか、年齢は若いか、家族歴はあるか)を組み込んで患者さん毎に治療プランを提案していきます。
大学で勤務していた際は眼圧が下がらない難症例に対して緑内障手術を施行してきました。また全国の若手眼科医の先生達を対象に緑内障の講義・教育を担ってきました。
「人間ドックで視神経乳頭陥凹拡大を指摘された」、「家族に緑内障がいて自分にも発症していないか心配だ」などのちょっとした悩みからでも気軽にご相談ください。